日本の資本取引は、このところ非常に大きな赤字を記録しています。
それは世界各国に経常収支の黒字を還元させているということですし、資本の流出先は大部分がアメリカであり、そのアメリカむけの大部分は、アメリカの国債を買っているのです。
つまり「日本は貿易収支は黒字であるが、その黒字を資本というかたちで海外、とくにアメリカに戻しているという特徴があり、そのお金でもってアメリカは財政の赤字を補い、景気の回復を続けている。
したがって、日本の貿易黒字は悪いことではない、資本収支をみないで貿易だけをとらえて云々するのは不適当である」
・・・という議論です。
国際収支論という点からいえば、この議論はある程度当たっています。
現に、1988年の日本の貿易収支は950億ドル(経常収支は796億ドル)の黒字でしたが、資本収支は1309億ドルの赤字で、絶対額は黒字を上回っていました。
資本収支のなかでは証券投資が869億ドルの赤字で最も大きい赤字項目でした。
ちなみに、80年代に入ってから、総合収支は83年を除いて、毎年赤字になっています。
黒字を記録しているのは貿易収支だけです。
また、もうひとつの経常収支黒字縮小論に対する反論は、仮に黒字を小さくすることが必要であっても、その責任はアメリカにある、日本にはない、「悪いのはアメリカである」という論です。