大資本のところでは設備が割合整っていますが、小資本のところでは非常に粗末です。
収容女工当りの畳数は女工1人平均畳1畳です。
ところが長野県の生糸工場の集合地ではもっとひどく、1人当り1畳にも満たないところもあります。
寝具は1人1組ずつ渡されているものの場所が狭いから2人ずつ寝るとかいっています。
しかし石原博士は
「1枚の煎餅布団と1枚の掛布団を貰って寒い夜を過せないので2人で寝ているのではないかと思う」
・・・と述べています。
また、生糸、織物など中以下の工場では場所が狭い上に布団が足りないので、まず布団を敷き詰めて雑居寝をさせ、当番の婆さんがその上に掛布団をあっちこっちと引っ掛けて行くというような有様のところがあるといいます。
同博士の調査を続けてみていくと、女工が入ったりやめたりその出入りが頻繁なので、1つの寝具に1年で累計6、7人寝ることになります。
しかし、女工が変る度に寝具の日光消毒もしないで6、7人の中に不幸にも伝染病、殊に結核があった時は、後に寝る者に伝染してしまい・・・
これが伝染病を伝播させる大きな要素となっていると指摘されています。